『健康無関心層7割の人たちに届けたい運動指導への思い!』

運動指導の仕事に携わって35年。「運動施設がないところにこそ運動指導を届けたい」という思いを持って日々活動中!地域のつながりを大切に、みんなが元気に過ごせるまちづくりを目指し「心と身体の健康づくり」をサポートさせていただいています。地域健康づくりコミュニティ メイトビー代表井上明美です。

「届けたいけど届かない!立ちはだかる運動指導の壁」

運動すれば元気になる」「運動すれば病気を予防できる」・・・そのような方々に運動を届けたい。でも実際はなかなか届かない、届いていないことを最近強く感じています。

コロナの感染拡大が問題となってから2年が過ぎ、その間に地域の行事や運動教室開催の自粛に伴い、外出する機会が少なくなった高齢者の体力・筋力の低下、認知機能の低下は大きな問題となりました。

何とかして人と関わる機会を増やすことが出来ないかと思い、いち早く、地域の運動サークルに来られている方に向けてリモートでの運動教室を始めてから早くも2年。

より多くの方に「シニア向けオンライン運動教室」を知っていただき、本当に運動が必要な方々に届けていくには、やはり行政の力が必要と思い「行政を巻き込んでのシニアオンライン運動教室開催」を1つの目標にしてきました。

その教室開催については予想以上に早く、昨年度から開催が実現し、今年度も継続して開催できています。

しかし・・・ここ最近新たな壁にぶつかっています。

本当に運動が必要な「フレイル」と言われる人たちには、実際なかなか運動が届けられていないということです。

自ら積極的に情報収集をする健康関心層は3割、自分の健康について関心がない健康無関心層は7割いると言われますが、ある地域ではフレイル検診の1つである「基本チェックリスト」の返却率はわずか3割だそうです。

この「3割」の方たちは、結局「健康関心層」と言われる健康意識が高い方なのではないかと思うのです。

   

地域の運動サークル、行政の開催する運動教室・・・ふたを開ければいつも同じ顔ぶれ。

元気なシニアになっていただくために、元気なうちから運動習慣をつけていただくことはとても大切なことだと思うのですが、運動をすればこの先の人生、介護が必要でなくなるかもしれない「フレイル」と言われる層に運動を届けるにはどうすればよいのでしょうか・・・

その人たちは一体どこに足を運ぶのでしょうか?・・・薬局? 病院?・・・「地元の薬局とのコラボで健康セミナーなどできないかな?」 「病院の先生方の一声は影響大きいと思うから、もっと医療との連携ができないだろうか?」・・・とか、様々な考えが巡ります。

・・・しかし、「人生何が幸せか」それを選択するのは人それぞれなんですよね。

運動習慣がない方でも幸せに過ごしておられる方はたくさんおられるでしょうし・・・運動して健康に気をつけていても病気になってしまうことだってある。そう思うと、健康無関心層の方はそもそも「運動することが幸せな人生につながる」とは思っていないかもしれませんね。

私自身は、「人生の最期まで自由に動きまわれる身体と心を持ち続けたい」と強く思うのです。

そして、35年間の運動指導者としての仕事を通して、運動の継続によって身体が元気になり、生活習慣が変わり、心が元気になっていかれた方々の姿を多く見てきました。

そのような姿を見ると、より一層多くの方に「健康づくりのための運動」を伝えたい・・・という思いが強くなります。

充実した人生を送るために「人生の最期まで、自分の足で自由に行動したい」という思いは多くの方が願うことではないでしょうか。

 

「地域住民が集う いきいき百歳体操」

6月、宇陀市の各地域で、住民主体で行われている「いきいき百歳体操」の教室にお伺いしました。

最寄りの公民館を利用して、準備から後片付けまで・・・参加者全員で行われている様子は、毎日の生活から作り上げられたお互いへの温かい思いやりの心を感じます。

コロナ禍でしばらく教室が開催されない時期もあったようですが、近所の方たちと顔を合わせ、声を掛け合いながら地域みんなで元気になっていこうとされるこのような活動こそが、健康無関心層と言われる方々に運動を届けるために、とても大切な活動ではないかと思います。

今後ますます急速に進む高齢化に向けて「人と人をつなぐ」「人と地域をつなぐ」活動は元気高齢者を増やすために大きな意味があると思うのです。

私たち運動指導者だけでなく、健康意識の高い健康関心層の方々が身近な人たちに運動を広めてくだされば、より多くの方に「健康づくりのための運動」が届きます。

運動指導者は運動の仕方を伝えるだけでなく、「運動の良さを伝えてくれる人を育てる」というのも大きな役割だと感じます。

 

※「いきいき百歳体操」とは、「地域づくりによる住民主体の介護予防活動」として高知市が展開してきた体操で、椅子に座って行える30分程度の簡単な筋力トレーニングをビデオを見ながらみんなで行う体操です。

高知市では、「住民と一緒に」「地域づくりを目指した介護予防事業」として行われた「いきいき百歳体操」を導入するようになってから、「多くの虚弱高齢者(=フレイル)が元気になった」との報告が相次ぎ、今では全国各地に広まっています

 

「フレイルとは・・・」

フレイルとは「Frailty(虚弱)」の日本語訳です。 健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指しますが、適切な治療や予防を行うことで要介護状態に進まずにすむ可能性があります。

フレイル予防のためには「運動」「栄養」「社会参加」が大切であると言われます。

 

「いきいき百歳体操」は、フレイルの予防にも効果があるのではないか・・・と、全国的に広まり、現在私が住む宇陀市でも公民館などを利用して、多くの地域で開催されています。

今後ますます進む高齢化に向けて、「自分の身体は自分で守る」時代。

一人でも多くの方が人生の最期まで自立した生活を送れるようになるために、これからも「健康づくりのための運動」をコツコツと伝え続けていきたいと思います。

その先に、健康無関心層と言われる方々のもとにも運動指導が届くことを願って・・・

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