地方の過疎化とコミュニティ力の減少

幼い頃私の育った兵庫県養父市も宇陀市同様、緑に囲まれた自然豊かな地でした。

人口減少率も宇陀市とほぼ同じであり高齢化率もよく似ています。私が幼い頃は子どももたくさんいて、子供会活動も活発でした。こどもの日にはみんなでバス旅行、夏休みには海水浴が恒例行事。秋にはお祭りの子供神輿や地区の運動会、冬にはクリスマス会など、今でもとても楽しかった思い出として残っています。

時代は変わり少子化が進み、子供会活動などは成り立たなくなり、大人は大人で仕事の形態も変わり24時間関係なく仕事ができてしまう世の中。人と時間を合わせることも難しい。徐々に地域コミュニティ力も低下してきたと感じる地も多いのではないかと思います。

父の病気と介護する母

高校卒業と同時に兵庫県養父市の実家を離れて35年。なかなかゆっくり実家に帰ることもできない35年でしたが、2020年6月に父が亡くなり、久しぶりに数日間実家で過ごしました。

こどもの頃にお世話になったご近所のおじちゃん、おばちゃんにたくさん出会い、父が地域でどのように過ごしてきたのか、どのように人と関わって来ていたのか、たくさん話を聴くことができました。

懐かしいこどもの頃の思い出とともにとても温かい気持ちになりました。

72歳で脳内出血で倒れ、重度の障害が残った父は、晩年不自由な生活を送ることになりましたが、それでも最後の最後まで住み慣れた地で母の介護を受けながら、地域の方々に見守られ、支えてもらって生活できたことは幸せなことだったと思います。

また、父を介護してきた母も地域の人に支えられていたことを実感しています。晩年、病気を患った父でしたが、地域に運動できる場があり、健康のことについて学べる機会があれば、もしかすると父の病気も予防できたのではないか・・・とも思います。

仕事一筋で生活してきた父が定年退職後に地域で気軽に通える運動教室があれば、もっと楽しい生活が送れたのではないか・・・などと考えてしまう私がいます。

運動指導はコミュニティ作りに貢献していると実感

宇陀市では男性ばかりの運動教室もございます。定年退職を迎えられた男性が多く集まり、月に2回の運動教室を楽しんでいます。参加メンバーの中で、「男の料理教室」や「ハイキング」を企画し楽しんでおられ、あるサークルでは、ご夫婦で参加されるケースもかなり増えて来ました。

運動指導者の仕事は運動の方法を教えるだけではなく、正しい身体の動かし方や効果を引き出すための運動を指導することは当然のこととして、人と人をつないでいくということも大きな役割だと感じています。

同じ悩みを持つ人同士が話す機会になれば心も元気になるだろうし、自分の住む地域に知り合いがたくさんできれば、心強くもあり、支え合い、楽しい人生になるのではないでしょうか。

人生の最後まで人とのつながりを持ち、さらに自分のことは自分でできる、自分の体は自分で整えられる・・・自立した生活ができることを目的とした地域コミュニティ活性を目指した運動教室を増やしていきたいと心から願っております。

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